
若波 山田錦 純米吟醸
いわゆるイソアミル系の、非常によく出来たお酒。
ありがちなスペックではありますが、中身では若波さんの新時代を感じる一本です。
バナナです!
また、火入れ酒ではありますが、開栓時キャップが飛ぶ可能性がございますので、ご注意ください。
理由としては、若波さんが行なっている「品質向上」と「酒質コンセプトの実現」のために行っているスピード感ある処理過程にあります。
この純吟山田錦に関しては、しぼった翌日に瓶詰、そしてその翌日には瓶燗火入、急冷後すぐにマイナス5度の冷蔵庫にて管理、と超スピーディーな処理が施されています。
その結果、酒中にある溶存ガスが多く含まれたままになっているからです。
ここ数年、人気の出てきている「直汲み」みたいなお酒達にもよくある現象ですね。
むしろフレッシュ感をさらに感じることができるというメリットがあります。
当然のこととは思いますが、常温やそれに近い温度帯での開栓はより慎重に願います。
若波
若波酒造
福岡県大川市
押し寄せる波と引いていく波。
味わいもそうありたいと。
一級河川・筑後川の辺りに蔵を構える若波酒造さん。
姉の友香さん弟の嘉一朗さんと、杜氏の庄司さんの三人で醸しています。
蔵内の大改造(四季醸造用とかじゃないですよ)を行い、床に物を置かない、整理整頓が行き届いた清潔な蔵に生まれ変わっています。
またちょっとしたクリップ等が置かれる場所が決まっているだけではなく、向きまで一緒になって並べられている様子には、思わず笑みがこぼれます。
なぜかって? クリップがゾウさんとかキリンさんとかの動物ものだから!
味わいについての基本的な方向性は波と同じで、押してくる果実感と引いていくキレをどのように表現するか、を常に考えています。